昨日に限らず、Kー1などを見ていて思うのはパンチを当てる角度の悪さ。
キックがある競技ではボクシングに比べ上体を起こして構えることが多い。
そのせいなのか魔裟斗をはじめ、ほとんどの選手がそうなのだがパンチの角度が悪い。
おそらくパンチの衝撃力で倒そうという意識があるのでそうなってしまうのだろう。
ヘビー級ならそれで倒れることもあるだろうが、軽いクラスではなかなか難しく、非常に効率の悪い戦い方と言わざるを得ない。
パワーで叩き付けて倒す。
タイミング良く当てて倒す。
・・・それだけを考えていたらなかなか倒すことはできない。
人を倒すのに一番大事なこと、それはどれだけ強い衝撃を与えるか?と言うことよりも、どういう角度で当てるのか?ということだろう。
どのように当てたら人は倒れるのか?と普段の練習から意識していなければ効率よく倒すことなど出来ない。
魔裟斗をはじめ多くのキック系の選手はパンチの軌道が上に逃げてしまっている。
例えばストレートを打った所で動きを止めた場合拳の高さはどこにあるだろうか?
テレビで魔裟斗のシャドーを見ていると拳は目の高さ(あるいはもう少し上)に来ている。
これでは高すぎるのだ。
この角度で打つ癖がついているので強打が当たっても倒すことが出来ない。
ストレートの場合、効率よく倒す為には拳の位置がアゴの高さに来ていなくてはいけない。
なぜ人が倒れるのかというと痛いからではなく(たまにそんなケースもある)、脳が揺れてカラダへの指令が正常にいかなくなるからだ(頭部の場合)。
ということは、効率よく脳が揺れる所に当ててあげればいいということになる。
鼻っ柱に当たって相手の顔がのけぞるというのは、一見効いているように見えるが実はそれ程効いていない。
何故なら首がクッションになり衝撃を逃がしてくれるからだ。
脳を効率よく揺らすには第一頸椎(首の一番上の骨)が支点になるようにしなければならない。
ここを支点にすることで脳が揺れる。
上の画像をみてわかるようにストレートを打った時に拳が目の高さにきていては脳が揺れないのがわかっていただけるだろう。
関節技はテコの原理を使うことで小さな力で相手の関節を極めることが出来る。打撃は別物と思われているが、実は関節技同様、打撃もテコの原理なのだ。