サッカー日本代表、遠藤選手が実に見事なPKを魅せてくれた。
オマーンとの試合、前半は0ー1で折り返した後半。
必ず追いつかなければいけない場面でPKのチャンス。
キッカーは遠藤。
ここまでファインセーブをしていたキーパーなのでイヤな感じもあったのだが・・・
ト・ト・ト・と何気なく助走。
そのままの流れで何気なく右隅にキック。
素人目にはスローでなんて事のないキックに見えるがキーパーは全く動けずにボールはゴールに吸い込まれた。
おそらく遠藤が勢いよく助走してスピードのあるボールを蹴っていたら止められていたのではないだろうか。
キーパーは完全に「間」を外されてしまい、体も心も反応出来なかった。
あの間の外しかた、拍子の取り方はまさに武術的といっていいだろう。
古い話だが、ヒクソングレイシーと西良典の試合を思い出す。
組まれたら分が悪い空手家の西は絶対に組ませずに打撃で戦うつもりでいた。
しかし、ゴングのあと握手でも求めるかのように何気なく近づいてきたヒクソンにそのままあっさりと胴タックルを許してしまった。
すっかり虚をつかれてしまった西は何も出来ずにあっさりと敗れてしまった。
これも今回のPKと同じで西は握手かな?と気持ちを緩めて受け入れようとしてしまったために、体も心も止まってしまったのだ。
いわゆる居着いてしまった。
反射神経の戦いではなく、人の心理や反射をついた戦い。
サッカーというスポーツの中に見えた武術的な場面。
オマーンとの試合は引き分けで終わったが、良いモノをみせてもらった。
武術的PK
2008年6月8日 | 0件のコメント