新年早々、インフルエンザで寝込んでおります(^_^;)
家族と隔離するため、テレビのない部屋へ布団を敷き寝込んでいます。
テレビもHDDに録り溜めた番組も見られない環境なので、珍しくネット動画ばかりを見ています。
面白いもの、そうでないもの、昔テレビで見た懐かしいものなど、いろいろありましたが、
なかでも面白かったのが「力道山vs木村政彦」の動画。
試合の結果や内容についてはもちろん知っています。
ただ、実際に動画を見るのは、おそらくはじめて。
使う技、動きのリズム、試合のテンポ、観客層等、今のプロレスとは全く違う世界です。
試合開始から中盤までは組んでフェアに離れてを繰り返すだけ、その後も派手な技らしい技といえばボディスラムくらい。
(最近プロレスからはすっかり離れてしまったので、よく知らないのですが、ボディスラムって今でもやってるのかな?)
確かに昔のリングは今と違って固いので、ボディスラムといえど十分危険な技でしょう。
ルー・テーズのバックドロップが殺人技だったのもうなずけます。
投げ方の調整が出来ないジャーマンスープレックスが売りのカール・ゴッチより、人によってちゃんと落とし方を変えられるバックドロップの使い手、ルー・テーズが評価されていたというのは今思えば当然です。
・・・話がそれてしまいました(^_^;)
さて、試合中盤。
力道山が空手チョップを出すタイミングを見計らい、木村が過剰に防御反応を示すという攻防で会場のボルテージは上がっていきます。
そして終盤、その場面は唐突に訪れます。
木村の出した前蹴りが、力道山の股間をかすめます。
これに激高した力道山。
この後はただのケンカ。
えげつない顔面への蹴り、チョップいや掌底というのも可哀想な程の打撃。
木村は完全にKOされてしまいます。
ここまでやったのか・・・と、かなり衝撃的な映像でした。
試合内容、結果についてはまた別に書きますが、今回はプロレスの昔と今の違いについて書いてみます。
まず最初にも書きましたが、技の数が圧倒的に違います。
力道山が使った技らしい技は3つくらい。
木村が使った技はもっと少ないと思います。
そして試合のリズムとテンポ。
これも火縄銃とマシンガンくらい違います。
そして観客層。
当時は他に娯楽がなかったというのあるのでしょうが、客席はスーツ姿の男性ばかり。
子供や女性の姿は、ほぼ見えません。
ただ、その表情はとても真剣に試合にのめり込んでいるのが見て取れます。
こう並べていくと、今のプロレスの方がスピードや技の数、客層の広さ、華やかな演出と全てが上回っているように聞こえるかも知れません。
しかし私感ですが、今のプロレスには一番大事な要素が欠けているのです。
私が今のプロレスを見なくなった、正確には見られなくなった一番の理由がこれなのです。
それは“緊張感”であり言い換えれば“怖さ”という要素です。
昭和のレスラーが持っていて、今のレスラーにない魅力。
試合の最中、フト垣間見えるガチな瞬間。
そっちが来るなら行くからなという雰囲気。
懐にある刃をちらつかせるのも下品。
見せずとも、懐にいつでも使える刃があるなと感じさせる雰囲気。
それが色気として、選手の魅力の奥行きを出していた気がします。
これがあるから私はプロレスを真剣に見てこれたのです。
プロレスというものがショーとして成熟してきた結果が今なのだと言われれば、それはそうなのかも知れません。
そして、それを否定する気もありません。
ただ、私と同世代、あるいはもっと上の世代の方達の中には、同じように感じ、プロレスから離れて行った人達も多いのだろうなぁと思います。
だからといって、今の選手に昔の試合をやれと言っても無理な話です。
そして選手もですが、それを楽しめる観客もいないでしょう。
時代と共にレスラーも観客も変化をしていく。
これはプロレスに限った事ではないのでしょう。
時代が変わった。
ただそれだけなのかも知れないなぁ・・・等と昔の動画を見ながら、久しぶりにプロレスに思いを馳せてしまいました(^_^;)