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すなけン 2006.1.27rewrite(2001年)

ウェイトトレーニング

 格闘技やスポーツの世界で今やなくてはならないものと言うべき存在のウェイトトレーニング。
私も10年弱の間、実際にやっていました。
体重も67キロから最高で82キロまで増えました。
週に5日、一回4時間くらい施設に入り浸った日々でした。

しかし現在はな〜んにもしていません。別にしんどくなったとか、怠けグセがついたとか、年だからとかといった理由ではありません。

では何故辞めてしまったのか?
それは格闘技または武道・武術においての弊害が多すぎると感じたからです。
ではその弊害とは何か?それをこれから書いてみましょう。

1、身体の連動の阻害。

身体とは全て連なって出来あがっています。
当たり前の事ですが、以外と意識していないモノです。
体は丸ごと全部で一つとして存在しています。
どこかのパーツだけが単体で存在しているということはありません。
したがって一つの部位が動く時には、必ず他の部位も連なって動く「連動」というものが伴います。

ウェイトトレーニングをしたことがある人ならわかると思いますが、鍛えている筋肉に意識を集中し、いかに他の筋肉を使わずに目的の部位に効かせるか?ということが基本になります。
ここに連動はありません。
あっても非常に狭い範囲の連動です。

スポーツや格闘技などの実際に行われる動きとは、部分的に起こるモノではなく、全身の連動をスムーズに行うことが重要になってきます。

2,筋肉の記憶

連動しないということに加え、もう一つ困ることは、力の出し方を筋肉が記憶してしまうことです。
ウェイトトレーニングによって部分的な力は確かに上がるのですが、力を使う時に無意識に力の入っている部分だけに意識が集中してしまい、全体として思ったほど力が上がっていないという現象が起きてしまいます。
例えば上腕二頭筋(力こぶの筋肉)、腕を曲げる時に使う筋肉です。
相手を引きつけようとする時、ここだけに意識が集中してしまうと、相手の体重vs小さな腕の筋肉というなんともおかしな図式になってしまいます。
腕の筋肉が不利なのは言うまでもありません。

3,アンバランス

全身の筋肉をバランス良く鍛えているつもりでも、部位により発達の速度はまちまちです。

例えばAの筋肉が発達してもそれに繋がるBと言う筋肉の発達が追いついていなければ、せっかくのAの発達も発揮することは出来ません。

また普段の動きやスポーツや格闘技の動きにもアンバランスな筋肉の影響は出てきます。
特定の筋肉のみに頼った動きにより、鍛えているはずなのに疲れ易いとか、故障が起きる、また発達の遅れている筋肉への負担が増え故障していまうといったことも起きるでしょう。

3,居つく

これは格闘技や武道・武術において極めて重要な点です。

筋肉を意識する癖がついてしまうため、実際に力を出す時に空白の時間が出来てしまいます。
この空白の時間を武道・武術の世界では「居つく」と言います。(居つくについてはこちらを参照)

以上のような理由から私はここ6年、まったくウェイトトレーニングをしていません。
そしてその結果私の身体がどうなったか?
見た目で言えば張った感じはなくなりました。肩も落ち、胸の筋肉もしぼんでいます。
見た目だけでいえば格好悪くなってしまいました。(涙)


では力はどうか?
まったく変わりません!むしろ良くなっています。今ベンチプレスを挙げてみろといわれても恐らく当時のウォーミングアップの100kgも挙がらないでしょう。

しかし、それでいいのです。
元々ウェイトトレーニングを始めたきっかけは怪我の多さと動きの向上を求めてのことでした。
多くの格闘家、スポーツマンも同じような理由で始めることでしょう。
しかし、実際にトレーニングをはじめてみるとウェイトトレーニングの魔力にはまってしまいます。
日々体が変わっていく、自分の思い通りに体がデザイン出来る、ベンチプレスで扱う重量がドンドン増えていく、そんな魔力にはまり当初の目的を見失ってしまいます。


例えばベンチプレスで300kg持ち上げようと、実際の動きの中で発揮出来なければ、その筋力にはなんの意味もないのです。
使えるということこそが大事なのです。


さて、ここまでウェイトトレーニングを否定していると、昔の武道・武術でもウェイトトレーニングに似たものはしているのではないか?と言う声が聞こえてきそうです。

その当時どんなものをしていたのか?残念ながら正確にはわかりません。勉強不足です。m(__)m
しかし、いろいろな本を読んだり昔の剣豪や武道家の逸話を聞く限りでは、明らかに現在のウェイトトレーニングとは違った方法をとっていたはずです。
そうでなければあのような動きは出来ません。

基本的に格闘家のウェイトトレーニングは好ましく思いませんが、ウェイトトレーニングと同等かそれ以上に実際の動きへ直結している練習をするのであれば、行っても構わないと思います。

ここまでお読みになってそうかウェイトトレーニングはダメなのか!じゃあヤ〜メタ!と思う方もいるかもしれません。
しかし、ここで間違えていけないのは、ウェイトトレーニングをやめたら力が強くなるということではないということです。

先ほど私がウェイトトレーニングを辞めても力は変わらず、むしろ良くなったと書きましたが、ウェイトトレーニングをしない代わりに身体の動きを良くするトレーニングを行なった結果ですので、短絡的に止めてしまうのはお勧めしません。

ウェイトトレーニングの魔力に魅せられることなく、上手にバランスのいいトレーニングをしていくことを心がけてみましょう。

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